農家のための土と肥料の研究会「全国土の会」と「土壌診断分析研究会」の事務局を主な業務として、2015年4月1日に(学)東京農業大学の大学発ベンチャー企業として起業した「東京農大発(株)全国土の会」がお陰様で7年目を迎えました。
「東京農大発(株)全国土の会」では、「全国土の会」、「土壌診断分析研究会」における情報発信と会員交流を支える事務局としての業務の他に、次の3本柱からなる活動を実施してきました。

(1)「全国土の会」会員からの依頼による土壌診断分析:専門的かつ安定的に、会員への技術支援を実践。
(2)講演・研修会講師:全国各地行政機関やJA・全肥商連などからの依頼による講演会・研修会の講師を通じて土壌診断に基づいた健康な土づくりの普及・啓発。
(3)コンサルタント事業:民間企業とのタイアップによる新規肥料や土壌改良資材など農業資材の開発。

上記の3本柱に加え、大学発ベンチャー企業の果たすべき役割として、東京農業大学と行政機関・JA・民間企業などとの間で締結されている包括連携協定事業に伴う共同プロジェクトへの参画を進めています。具体的には次のようなプロジェクトです。(先行順)
JA世田谷目黒:都市農地の保全と生産性向上・生ごみ肥料「みどりくん」による地域循環社会の形成など。
JAふくしま未来:夏秋キュウリ圃場や桃園での生産阻害要因対策・桃共選場への支援学生派遣など。
南あわじ市・JAあわじ島:土壌診断分析に基づく施肥改善・地域産バイオマス資源の有効活用など。
ワタミ(株):岩手県陸前高田市の津波被災地の復興造成地に予定されている農業テーマパーク「オーガニックランド」開設のための土壌改良・施肥管理アドバイス。「オーガニックランド」では有機JASにとらわれることなく、地域産バイオマス資源の最大限活用を目指す。

これらのプロジェクトでは、東京農業大学の現役教員ともタイアップしながら、「全国土の会」の活動32年間で培ってきた技術とネットワークを最大限活用して、東京農業大学の実学主義の理念を実践することを目指しています。

今年度の全国大会につきましては、11月以降に東京農業大学世田谷キャンパスでの開催を計画していますが、新型コロナウイルス感染状況によりましてはリモート全国大会とする予定です。

全国的に新型コロナウイルスの感染が拡がりつつあります。皆様におかれましては、くれぐれもご注意下さい。

それでは、本年度もよろしくお願い致します。

2021年4月1日
東京農大発(株)全国土の会
代表取締役
東京農業大学 名誉教授
後藤 逸男