新年、あけましておめでとうございます。

平成元年に農家のための土と肥料の研究会として立ち上げた「全国土の会」が本年10月で30周年を迎えます。当初約30名にすぎなかった「全国土の会」ですが、現在では全国各地に20の支部組織の他に個人および法人会員、さらには25社の賛助会員(平成29年度現在、次年度には2社増加予定)からなる組織となりました。これもひとえに、会員各位のご協力のお陰です。改めまして、感謝申し上げます。
この間、毎年秋には各地で全国大会を開催してきました。昨年は11月に高知市で「第29回全国土の会四国大会」を盛会裡に終えることができました。四国大会開催に際しまして、(株)古田産業の古田信廣社長には準備から大会当日の総合司会までお引き受け頂きました。また、翌日の現地研修会では高知日高村土の会、日高村役場産業環境課、JAコスモスの皆さんにたいへんお世話になりました。さらには後援頂きました団体各位にお礼申し上げます。四国大会の様子はこちらをご覧下さい。
さて、30周年の節目になります本年11月には、東京農業大学百周年記念講堂で「全国土の会30周年記念大会」を開催します。大学行事日程などの都合により開催日程決定はもうしばらく先になりますが、決まり次第このホームページと園芸新聞などでお知らせ致します。

「全国土の会」の基本理念は、土壌診断に基づいた施肥管理の実践です。土壌診断と言えば、pHやECなど土壌化学性分析と思いがちですが、土壌を健全に管理するには土壌化学性ばかりでなく、物理性と生物性を整えることが大切です。農家自らが自分の圃場に穴を掘って土層の硬さを体験し、土壌断面をよく観察することで土壌物理性の善し悪しを確認できます。土壌生物性の基本は、土壌中に多数生息する動物や微生物のために住み家と環境を整えること、有機物などのおいしい食べ物を供給すること、さらには土壌病原菌など特定の微生物を増殖させないために連作を避けることなどです。すなわち、土壌診断で土壌物理性と化学性を整え、定期的かつ適量の有機物補給と連作を避けるための緑肥作物の導入・鋤き込みを実践することで自ずと土壌生物性も健全化します。
最近では土壌診断技術が化学性・物理性だけではなく生物性にまで発展してきました。具体的には土壌中の微生物数や微生物活性値などによる点数化や土壌微生物多様性指数などの表示です。そのような土壌生物性の見える化への方向性は評価すべきですが、まだ充分な土壌肥料学的検証が進んでいません。
「全国土の会」では、土壌生物性分析の差し当たっての課題は土壌病原菌密度の迅速測定と判断しています。今後、賛助会員との連携により今後その方向での検討を進める所存です。

本年も「全国土の会」の活動によろしく、ご協力下さい。

平成30年 元旦

全国土の会 会長
東京農業大学 名誉教授
後藤 逸男

 

「ふらの土の会」定期土壌診断調査(2016年9月)

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穴掘りと土壌断面観察から始まる土壌診断

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