2020年6月に、「全国土の会」の支部組織である「遠州土の会」の角田茂巳会長から、チンゲンサイ周年栽培ハウスで根こぶ病が発生したとの一報が入った。年6作前後のチンゲンサイ栽培を少なくとも20年間続けているにもかかわらず、これまで根こぶ病とは無縁であった。
これは一大事と、その原因を解明するため、罹病根と罹病株付近の土壌、それに育苗培土を調べた結果、2種類の育苗培土のひとつから育苗培土1g当たり700の休眠胞子が検出された。土壌から休眠胞子の遺伝子を取り出し、それをPCR法で測定した結果で、従来の直接検鏡法ではとても検出できない低密度まで測定できる測定技術である。
これまでにも、育苗培土の汚染が原因の根こぶ病は全国各地で発生している。このような事故を未然に防ぐ対策として、育苗培土メーカーが定期的なPCR検査を行うことが望まれる。
このように、今回の角田農園での根こぶ病発病事例は、アブラナ科野菜生産農家ばかりでなく、アブラナ科野菜用育苗培土メーカーにとってもたいへん参考になると思われる。そこで、角田正巳さんの同意の下、情報提供することとした。

2020年7月
東京農業大学 名誉教授
全国土の会  会長
後藤 逸男