一昨年の秋以降肥料価格高騰が続いています。令和5年度秋肥価格は若干軽減されるようですが、高止まりが続くと予想されます。その対策として、国は肥料価格の一部を支援する施策を行っていますが、その条件のひとつが「土壌診断による施肥設計」であったため、各地の土壌診断室への分析依頼数が激増しました。土壌診断分析数の増加はよいことですが、単に支援金目的の分析であってはいけません。土壌診断分析を本来の目的である施肥設計に活かすには、どこで分析しても同等の分析値を依頼者に提供する必要があります。

20数年前、土壌診断分析に自動化学分析装置を導入している分析機関を中心にユーザー研究会が結成され、分析法向上のための研修や会員相互の情報交換を目的とする研究会が毎年各地で開催されていました。しかし、メーカー主体の研究会であったため、メーカーの一方的な都合により平成19年(2007年)以降自然消滅してしまいました。

そこで、改めて自動化学分析装置のユーザーが主体となって運営する研究会「土壌診断分析研究会」を平成24年(2012年)1月に立ち上げました。この研究会の目的は、迅速、高精度、安価で環境にやさしい土壌診断分析法を確立し、それを全国の土壌診断室に普及させることです。自動化学分析装置のユーザーに限らず、土壌診断分析に携わる機関や土壌肥料学分野の研究者あるいは関心の高い農家、分析機器メーカー・販売会社や農業資材関係者の皆様にも参加して頂きたいと考えています。

コロナ禍の影響でオンラインあるいはハイブリッド方式での研究会が続きましたが、今年度より従来の対面方式に戻し「第12回土壌診断分析研究会」を開催することにしました。現在、そのための手合わせ分析用土壌試料(TUAS-16, 17)を準備中です。

なお、手合わせ分析結果集計後の研究会につきましては、10月11日(水)に羽田空港近くの(株)島津製作所 殿町事業所「Shimadzu Tokyo Innovation Plaza」で開催します。

 

下記より「第12回土壌診断分析研究会」の案内状をダウンロードして下さい。

 

【会場の紹介とアクセス】

https://www.shimadzu.co.jp/research_and_development/tokyo-innovation-plaza/

 

[手合わせ分析の日程]

手合わせ分析2023の参加申し込み期限を7月21日(金)とさせて頂きます。その後、土壌試料2点(2mm篩全通の風乾土各200g)をレターパック便で送付します。

分析結果を9月1日(金)までに分析結果を「東京農大発(株)全国土の会」までメールの添付ファイルで送って下さい。

 

[手合わせ分析2023用の土壌と分析項目]

 今回の手合わせ分析用土壌2点は次のとおりです。両土壌共に、2mm全通の風乾細土です。今回の手合わせ分析では、生物性分析(フザリウム菌密度・センチュウ密度・アブラナ科野菜根こぶ病休眠胞子密度)についても分析対象とします。なお、TUAS-16のフザリウム菌・センチュウ密度測定に参加頂ける分析機関には化学性分析用風乾土の他に生土でお送りします。TUAS-17の根こぶ病休眠胞子密度測定には、化学性分析用風乾土での分析をお願い致します(風乾土でも分析可能なことを確認済み)。

 

TUAS-16:埼玉県児玉郡上里町のイチゴハウスから採取した低地土

分析項目:畑土壌化学性 土壌生物性(フザリウム菌密度・センチュウ密度)

TUAS-17:熊本県八代市の水稲・ブロッコリー圃場から採取した低地土

分析項目:水田および畑土壌化学性

土壌生物性(根こぶ病休眠胞子密度)

 

[手合わせ分析参加費]

手合わせ分析用試料作成のための人件費・土壌試料の送料、分析データ集計のための費用として、5,000円を負担頂きます。振込方法等は研究会参加申込時に詳細ご案内します。

なお、10月11日(水)に開催します「第12回土壌診断分析研究会」の参加費としては、参加者1名当たり3,000円、情報交換会費として5,000円を予定しています。

 

[手合わせ分析参加申込]

手合わせ分析に参加を希望される分析機関は、下記のフォームから申込をお願い致します。

https://forms.gle/4papnkLWHErd1zAM6

申込〆切:7月21日(金)17時 

 

フォームでの申込ができない場合:soil@nodai.ac.jp (担当:吉田)までご連絡下さい。

 

下記から手合わせ分析の案内状をダウンロードすることもできます。

 

[問い合わせ先]

土壌診断分析研究会事務局長  後藤 逸男

携帯電話:090-5551-6663 E-mail:soil@nodai.ac.jp